神奈川工業会は、県立神奈川工業高校の同窓会です 

記念誌 二渓の風に乗って

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100年の足跡 5年制工業学校

昭和6年・創立20周年記念行事・公民科の新設・満州事変

1931(昭和6)年、本校は創立20周年を迎えた。5月I日から3日にかけて記念行事が行われる。創立10周年の時と同様に、生徒の成績品展覧会と製作品即売会が催され、16,601名の来校者を数えたとの記録がある。ただし、不況という時節柄、潤沢な予算は望めなかった様である。

「5年生の時20周年にぶつかったが、良いアイデアと予算がなくて弱ったことを覚えています。しかたなく裏山から笹をきりとって来て、旋盤工場に植えたりしたものです」(50周年記念誌 同窓会座談会)

機械科12回卒業の関根仁三郎の述懐である。

同年9月18日、満州事変が勃発するが、このころから、日本の産業は重工業・化学工業を軸として軍需産業へと進展していく。それに伴って就職難は解消していくが、同時に学校にも軍国主義が影を落とすようになる。

「公民科」という科目が実施されるのはこの年からである。

これは、それまでの「法制経済」に代わって「憲政自治ノ本義ヲ明ニシ日常生活ニ適切ナル法制上経済上並ニ社会上ノ事項」を教育することを目的として新たに設けられたもので、その後、軍国主義の台頭と天皇機関説問題をきっかけとして1937(昭和12)年に改訂が実施されると、教育目標として「我ガ国体及国憲ノ本義特ニ肇国(ちょうこく)ノ精神及憲法発布ノ由来ヲ知ラシメテ以テ我ガ国統治ノ根本観念ノ他国ト異ル所以」を明確に掲げることとなった。現在行われている「公民科」が目指す近代的市民育成の方針とは異なる、帝国臣民育成理念を前面に出したものであった。

創立20周年記念 野外売店 電気科製作販売室
創立20周年記念 余興 交友会誌 二渓苑